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  2. もっと知りたい!川越

人口約35万3千人、広さ109.1 km²で、古くから産業、経済、文化、観光などの中核都市として発展してきました。都心から30km圏内に位置し、「蔵造りの町並み」や「時の鐘」、「菓子屋横丁」といった観光スポットが多く、これらの通りを着物で歩けば、古き良き川越の町をさらに身近に感じることができます。

市の花は「山吹」。 川越城を築城した武将であり築城家、また和歌の名手とも称えられた太田道灌の逸話に登場する花です。春には市内の彼方此方で可憐な黄色い花を見ることができます。

市の鳥は「雁」。 雁は古くから川越地方を表す和歌にも多く詠まれた渡り鳥。川越城は別名を「初雁城」ともいいました。なお、市内には「初雁」の名を持つ中学校や高校、企業などが複数あります。

長禄元年(1457)、太田道真・道灌父子により河越城が築城されました。以降川越は武蔵国を代表する城下町として年々発展していきます。明治に入り、川越は穀物や織物、たんすなどを主な特産物として、埼玉県一の商業都市として発展しました。大正11年(1922)年は、埼玉県で最初の市制を施行し、令和4年(2022)年に100周年を迎えます。

神社仏閣が多いことも川越の特徴の1つです。入母屋造りの本殿に、江戸彫りと呼ばれる関東特有の精緻な彫刻がある「川越氷川神社」をはじめ、徳川家光の命により江戸城内の紅葉山から客殿、書院、庫裏などが移築されている「喜多院」。また、子育て・安産をはじめ、人々の願いを叶えてくれる「呑龍上人」が祀られている「蓮馨寺」などがあります。
その他、半日程度で気軽に巡ることができる「小江戸川越七福神めぐり」なども人気のコースです。

川越総鎮守氷川神社の「例大祭」と「神幸祭」また絢爛豪華な「山車行事」によって構成される川越最大のお祭りです。
慶安元年(1648)に当時の川越藩主・松平信綱が、氷川神社に神輿・獅子頭などを寄進し祭礼を奨励したことが始まりであり、各町の山車同士が向き合い囃子を競い合う「曳っかわせ」が最大の見どころです。
「川越氷川祭の山車行事」として国の重要無形民俗文化財に指定されているほか、平成28年には日本の山・鉾・屋台行事のひとつとしてユネスコ無形文化遺産に登録されました。
 また川越まつり以外にも、埼玉県や川越市の指定を受けた無形民俗文化財の行事があり、伝統を受け継ぐ活動を行っています。

寛永の大火を受けて喜多院の再建に伴い、江戸城の建造物が舟運を通じて川越へ運ばれ移築されることに始まった新河岸川の舟運は、川越の繁栄をもたらしました。また、新河岸川から、荒川、隅田川を越えて終点は浅草(花川戸)まで結ばれ、江戸との繋がりはより深まっていきました。川越からは米や麦などの農産物や木材などを江戸へ、江戸からは、織物や塩、酒などの荷のほか江戸の文化(祭りなど)も川越に入ってくるようになりました。

かつて川越地域周辺で織られていた「川越唐桟」。さまざまな種類の縦縞が美しく、極めて細く美しい木綿の糸で織られ、まるで絹のような風合いで、江戸町人の装いに欠かせないものとして当時大流行しました。今では着物の他に、かわいい小物などを市内の土産物店などで購入することができます。

明治26 年3 月17 日に発生した「川越大火」により街の3 分の1 が焼失してしまいましたが、この際に蔵造りの建物だけは焼け残り、蔵の防火性に気づいた商店主らは以後、こぞって蔵造りを採用しました。その後、行政や市民団体の尽力により、平成11 年(1999)に重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。また、大正〜昭和期の看板建築なども多数残されており、今でも店舗として使用されています。

蔵造りの町並みにひときわ高くそびえる川越のシンボル「時の鐘」。江戸時代初頭から城下の町に時を告げ、庶民に親しまれてきました。度重なる火災で鐘楼や銅鐘が焼失し、現在建っているのは4代目に当たります。昔と変わらず今も時を告げており、その音色は平成 8年、環境省の「残したい“日本の音風景100選”」に認定されました。

素朴で昔懐かしい味を今に伝える菓子作りの店が立ち並びます。昭和初期には70軒以上の店があったといわれており、その後店舗数は減ったものの、人情味あふれる横丁の情緒は今もなお残されています。ニッキやハッカ、お団子などの懐かしい香りが漂う菓子屋横丁は、平成13年環境省の「かおり風景100選」にも選定されました。

川越では様々な名産品が楽しめます。有名なさつまいもも昔からこの地域で栽培されていた農産物。また、昔からお茶の栽培が盛んだったことから、最近では「河越抹茶」ブランドが大人気。市内の至る所でスイーツやグルメに使われています。さらに川に囲まれた地域であることから、川越では昔から地元の人々が通う老舗の鰻屋が多数あります。

川越は農業が盛んな地域としても知られています。

市の南西部では葉物野菜、北東部では米の生産がさかんに行われています。特に小松菜やホウレンソウ、かぶなどの出荷量は非常に多く、川越は首都圏の食料供給地としての役割も担っています。また、ブランドにもなっている川越いもは芋掘り観光が行われるとともに、さまざまなスイーツが開発され、多くの観光客にも喜ばれています。